成形方法

ミューセル成形とは


MuCell®はTREXEL, INC. の登録商標で、超臨界流体(SCF)状態のN2ガスやCO2ガスを樹脂に溶解・拡散させて、微細発泡セル(平均100ミクロン以下)を均一に生成したプラスチック製品を成形します。

超臨界流体(SCF:Supercritical Fluid)とは、臨界点以上の温度・圧力下で、気体と液体の両方の性質を持つ流体のことで、気体の拡散性と液体の溶解性を持っています。

MuCell®射出成形システムの概要

・専用のシリンダーと混合部のある2段構成のスクリュ

・SCF発生装置(ガス昇圧)とインジェクター(バルブ注入装置)

・SCF注入ソフト(注入量は開閉時間で制御)



ミューセル

①樹脂へSCF注入

スクリューによって可塑化された樹脂に、SCF発生装置からシリンダーに取り付けられた専用インジェクターを介して、超臨界流体SCF(一般的にはN2やCO2)を注入

特別設計の混合部を通じ、樹脂にSCFを均一に分散、混合することで、SCFと溶融樹脂の単一相溶融物を形成

シャットオフノズルを使用し、シリンダー内圧はSCFの溶解に必要な圧力以上を保持


②SCFと溶融樹脂の混合物(単一相溶融物)を低圧充填

シャットオフノズルを開き、低圧で金型に射出、充填


③セル構造を形成

金型内の圧力降下により発砲核を形成。発砲した気泡核に向けてSCFが拡散、気化、成長し、気化したガスの内圧によって金型へ樹脂を押付けて賦形


ミューセル成形のメリット


・ソリとヒケが低減

・樹脂消費量の削減(軽量化)

・成形機型締め力のランクダウン

・成形サイクルの短縮

・流動性の向上

・薄肉化

ミューセル成形のデメリット


・密度が軽減するため強度が低下

・外観の低下

対応ton数


450t成型機